部位別ストレッチシリーズ①~『胸郭の柔軟性向上』で得られる効果とストレッチ方法~

「身体を柔らかくしたい」と思っている方は多いのではないでしょうか。

前回の記事(けがを未然に防ぐことの重要性)でも触れましたが、関節可動域を拡大することで怪我の予防にも繋がります。

今回は「胸郭」についてまとめていきたいと思います。

胸郭を構成する要素と5つの機能

胸郭は、胸骨、左右肋骨および肋軟骨、12個の胸椎で構成されます。

①呼吸機能

胸郭は心臓や肺を取り囲む籠のようなイメージです。

胸郭が広がることで空気が入り、胸郭が狭くなるころで空気が出ていきます。

胸郭の可動域が広がることで、呼吸が深くなります。

②肩甲骨の動き

胸郭には、肩甲骨が密着しており、胸郭の動きは肩甲骨の運動にも影響を及ぼします。

実際に行ってみるとわかりやすいのですが、姿勢をまっすぐにすると腕はよく上がります。一方で、猫背では腕が最後まで上がらないでしょう。

胸郭の柔軟性が低下すると、肩の動きで代償してしまうため、怪我のリスクが増大します(一般の方でも肩関節周囲炎などに繋がりやすくなります)。

③腰部と頸椎の動き

胸郭は、頸椎(首回り)と腰部に挟まれているため、胸郭の可動域が脊柱全体の動きに影響を与えます。

胸郭の柔軟性が乏しいと、頸椎や腰部に負担がかかりやすくなってしまいます

そのため、体操教室では胸椎の動きが出るようにブリッジなどの指導をされるかと思います(ブリッジは体操の基本姿勢となり、バク転や転回など様々な技に発展します)。

④バランス機能

人間が身体を動かす時、脳の指令により無意識的に姿勢を保持します。

前述のように胸郭の可動域は肩甲骨や体幹全体の動きにも影響するため、胸郭が固いと立位姿勢や歩行時のバランスも取りにくくなってしまいます。

⑤姿勢

普段の生活を見返してみると、前かがみで作業することが多いかと思います(机の上で文字を書く、パソコン作業を行う等)。

そのため、意識的に反対側に伸ばすことを行わないと胸郭の前の部分(小胸筋等)が固くなってしまいます。

小胸筋が固くなると、相対的に背中が丸くなりますので、姿勢の悪化に繋がってしまいます。

姿勢のセルフチェックとストレッチ方法

姿勢のセルフチェック

壁に背中を向けて、かかと・おしり・肩甲骨・後頭部をくっつけます。

この姿勢が『まっすぐな姿勢』となります。

簡単ストレッチ方法

・タオルを丸めておく。胸椎にタオルを敷いて、両手を上げる。

・胸を丸めて伸ばす(肩甲骨を離したり引っ付けたりする)

※腕を上げず、胸郭の動きだけでもOKです。痛みがあれば、運動を中止してください。

柔軟性向上を目的とするなら、1週間に2回程度は行ったほうが効果的です。お風呂上りに行うなど、ルーティンを決めておけば継続しやすいでしょう。

またデスクワークなど、毎日同じ姿勢をとっているかたは、時々違う姿勢を取るよう意識するだけでも効果があるかと思います。

まとめ

胸郭に関わる5つの機能

①呼吸、②肩甲骨の動き、③頸椎と腰部の動き、④バランス機能、⑤姿勢

姿勢のセルフチェックと定期的なストレッチが効果的。

ご参考になれば幸いです。

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